今年はできるだけ、インプットしたことを書くという目標があるので早速。
今日はシノドスの年末号の中から、田村哲樹氏・大竹文雄氏の文章を読んだ。
この10年を振り返り一見したところ納得のいく「市場から連帯へ」という流れに対し、田村氏は注意を促す。具体的には事業の見直しが人気政策となる状況は続いており、小さな政府路線が終わったわけではないことや、「誰の」あいだの連帯かがわからない状況が続いていること、連帯の基盤がないことの3つを挙げている。結果として連帯を生むことはできず、市場か権威にそこからの脱出策を求めていたというわけだ。これに対して田村氏はBIを例に挙げながら、共通の基盤創出の必要性を説く。共通の土台を創るために田村氏が提示する方法のうち「一般市民の視野を長期化するための仕掛けを考えること」について考えよう。これは言論NPOが目指す熟議民主主義にもつながる考え方だ。田村はそこで、熟議民主主義というのは「人々に距離をとった思考を促すための仕掛けのひとつ」と指摘している。
ここで、昨日ustで見た「MIAU新春対談」における白田先生の発言をつなげてみよう。白田先生は自身で極論だと認めつつも「選挙活動はすべて電子化すべし」とおっしゃっていた。ちょっと聞いただけではあまりのラディカルさに驚くばかりだが、その真意は「土着の選挙活動では思考停止に陥った状態で投票がなされる」「身体性から切り離されたところで論理で判断することが民主主義には必要」とのことだ。これは田村氏が述べていた「長期的視野で思考する仕掛け」のひとつだろう。確かに選挙活動がすべて電子化されれば、そこにはPCなどのインターフェイスと自分しか存在せず、ネット上の文字や映像をクールに判断することが可能となるかもしれない。
あと、思想地図の第2号を改めて読み返しているのだが、これは今の僕の問題関心にどんぴしゃだ。発売当初は、「労働問題かよ」とか思ったりしてあまり関心が持てなかったのだが、この号はやばい。
第1号もいいけど、喫緊の関心からすれば2号が参考になる。
「誰が」陰謀論にハマるのかという問い
1 週間前